Original Story
始まり、それは職業ではなく、情熱でした。ある日、友人とコーヒーを待っている間に、ふと思いついて立ち寄ったある香水の店で、私は自分の情熱を見つけました。その香水ショップに行くのは初めてでしたが、職人技の美学、ゆっくりとした静けさを促してくれるような空間、そして素晴らしい香水など、すべてが特別でした。
その瞬間、私は自分の天職を見つけた、と思いました。調香師になりたい、と。
人々に様々な感情を引き起こす香りを作れる人になりたい、と。
この新しい世界についてもっと知りたいと思い、コーヒーを飲んだ後、店に戻って店長に調香の技術を教えて欲しいと頼みました。その時の未熟な私には、店長はセールスマンであり、私が理解したかった香水の作り手ではないとすら、全く知らなかったのでした。
しかし、彼は先生になることはできないからと、私に代わりに学校を紹介してくれました。
その学校は、韓国で最も古い調香学校であることがわかりました。私はその夏、そこに入学したのでした。
その後20年以上も続くこのエピソードで、私の人生は永遠に変わったのでした。
運命のその日、私は2つのものを持って街路樹通りを後にしました。それは、あの運命の香水ショップで恋に落ちた香りの香水のボトルと、香水への新たな情熱でした。
この運命の香りは私にとって単なるフレグランス以上のものでした。
それは憧れであり、目指すべき卓越した美の基準でした。
この香りが私を魅了したのは、理解も定義もできず、成分やカテゴリーにさえも、分類できなかったからです。
穏やかなスパイスが爆発する瞑想的なウッディネスに、フルーティーな甘さが添えられた香りは、理解できないほど中毒性がありました。それは、いつもミステリアスな雰囲気を漂わせている好きな人のことをどんどん知っていくような感覚でした。まさに、恋に落ちるような感覚だったのです。
運命的な出来事から4年が経ち、私の情熱は職業となり、あの香水が私にしてくれたように、他の人にもそのような体験をもたらす香水を作ることを毎日夢見ています。
これは忍耐、根性、希望、勇気の旅であり、あの香水ショップへの訪問というたった 1 つの出来事が、私の将来と人生の仕事を決定的に形作ったと実感すると、現実とは思えない気分になります。
この日記は、調香師としての私の小さな物語や経験を皆さんと共有する方法として、また、この道を選んだのは何故だったかを自分自身に思い出させる方法として始めました。これは、私からの香りの世界へのラブレターです。